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前回エントリーでイラスト・レギュラーのリニューアルの話が来た事を書きましたが、実は更に別件の仕事もイラストがリニューアルになる話が舞い込んで来ていました。
こちらはこれから打ち合わせが始まるので、あまり詳しく言えませんが、リアル系の水彩画イラストマップがデフォルメされたイラストへと変更される事になりました。これに関してはまた後日エントリーします。
今日は前回のエントリー、リニューアルで新・創刊することになった会員情報誌のイラスト制作の件ですが、社内検討の結果、発注が決定しました。
今日はその新しく発注される事になったイラストを実際に私が受注するまでのお話です。
《 こんなオファーがやって来た・・・》
■それまで私が担当していたコラム用の4コマ漫画のページは継続する事になり、コラムの中身は装いも新たにユーザーの質問に答える【一門百答】という内容に変わりました。
といっても、私の4コマ漫画の内容自体にはそれほど大きな変化は無いので助かりましたが、新たに表紙のイラスト制作が加わってしまいました。もちろん表紙ですからタッチは漫画ではありません。
この誌面で4コマ漫画デビュー?を果たしたSenJ4の本来得意とするところのイラストです。
新創刊する情報誌は既にウェブサイトにあるパチンコ・パチスロのサイトと連動するカタチになっています。
クライアントの同じ担当デザイナー氏から『表紙をイラストにしたいと思っている』旨のお話を頂き、考え中のラフのイメージと同時に私のギャラリーの載せてある作品から、『こんなタッチで行こうかと社内で検討中』...と言う見本で数枚抜き出されて添付されて来ました。
私としては中身以外に表紙のイラスト制作依頼が来るのは本当に光栄な事です。
中身と表紙と全く違うタッチを描き分ける、と言うSenJ4の本領発揮ができる制作依頼です。
なにせ毎月刊行のレギュラー仕事になるわけですから、引き受けないなんてもったいないですよね。
毎月の売り上げ予想も立てやすく、年間売上額にも大きく影響してきますからね。
《 オファーから見積もり提示まで・・・》
■まず担当デザイナー氏から次の2点について尋ねられました。
1:制作期間
2:製作費
やはり新しい仕事を発注する際に、一番重要な、そして描く側にとっては一番答え難い質問が来ました。
皆さんも、新しい仕事の時は結構悩むんじゃないでしょうか!?特に新規のクライアントからいきなりこういうオファーが来たりすると、相場が判らない場合や、自分のイラストに金額を付けられない経験不足の新鋭のクリエイターの方達は困りますよね。でも、自信を持って金額提示してあげましょう!万単位で。
もし、相手側からあまりに理不尽な金額を一方的に提示されたら断りましょう、割に合わないです。
基本的に私は「スピード命」なので、実際の制作期間は短い方です。が、仕事では何が起こるか判りません。
他の案件と急に重なったり、急に体調を崩す事だってあり得ますから、ギリギリでは無くて少し多めに制作期間を提示するのが基本です。ま、よほど相手が急いでなければの話ですが。
例えば3〜4日もあればラフ〜フィニッシュ、納品できるとしても「1週間かかります」と提示します。
私の場合はこれに(※最短で5日程度も可能)という言葉を添えていますけれどね。
見積もりに関しては、自分が最低このくらいあれば気持ちよく描く事が出来るという金額を提示します。
で、基本的にかっちりとどんなものを描くのか、タッチはどんな感じなのかがまだ未確定なのであれば、
おおよそのザッとした範囲で金額提示するのがイイでしょう。○○〜●●万円...のように。
《 ギャラの提示はよく考えて・・・》
■よくイラストレーターになりたての新人さんがバカみたいに激安価格でイラスト製作を受ける場合が見受けられますが、それではダメです。 貴方が他のイラストレーターの相場を下げてしまうことになります。
余談になりますが、ここで私が打ち合わせに行った時に実際に見た現場でのお話をしましょうか。
----------※あまり大きな声では言え無いんですが------
私の打ち合わせが終わって担当デザイナー2人と雑談していましたら、Proになりたてらしき若い女性新人さんがマンションの鳥瞰インナーパースの仕事を受けておられたのですが、ギャラの話をされていました。これ、どういう意味かお分かりでしょうか。
デザイナーA『....ということで、では、ギャラの件なのですが、おいくらでしょう?』
彼女『....このイラストですと....9万円くらい頂いています』
デザイナーB『!!....9万円、ですか?』(微笑)
デザイナーA『...おおっ!』(微笑)
彼女『....あのぉ.....お高いでしょうか??』
デザイナーA『いえいえ、そんなことは無いんですが、ね(微笑×微笑)』
デザイナーB『ええ、そうですね。この感じだと9万なんですね!?(微笑×微笑)』
彼女『はい...他のところでもこれくらい頂いているんですが...(*'ー'*)』
-----そのデザイナーさん達はお互いに顔に満面の笑みを浮かべ見合わせていました。
デザイナー側としては、『予算以下じゃん。安くてラッキー♪』ということです。
可哀相に....彼女は相場が判っていなかったらしく、私の見積もりでは6万円ほども損をしてるようでした。
こういう場合は、すぐに自分から金額提示をするのでは無くて、予算はどれくらいかをさりげなく尋ねる事が大事ですね。駆け引きになるワケですが・・・
例えば本当は3万は取れる仕事を『5千円でイイです』....なんて言ってしまうと、もう貴方は5千円イラストレーターになってしまいます。今後、相手側から金額の提示(予算)がある場合を除いて※ほとんどの場合、発注する際にはあるハズですが※ 同じような仕事だと5,000円を基準に考えられてしまいがちです。
ギャラ交渉の経験が少ないと、素直に○○万円....と言いにくいのはわかりますが、相手がどのくらいかかるか尋ねているのですから、実際の金額か又は多めに提示する駆け引きも大事ですね。
多めに言ったからと言って、その場ですぐにキャンセルされて別の人に発注ということにはほとんど無らず、おそらく値引きの交渉になるハズです。※注:ほんのごく一部を除いてキャンセル発生有りですが(*-.-)。経験済
ただし、あまり予算が無いと言うのが判っているのであれば、こんなふうに話してみればいいでしょう。
『実際は○○万円ほどかかるのですが、逆にご予算はどのくらいをお考えなんでしょうか?』と言う感じで、やんわりと受け答えて『お気軽にご相談下さい』と交渉に余裕を持たせましょう。
よっぽど折り合わない限り、貴方に描いて欲しくて打ち合わせしているのですから、大丈夫ですよ。
《 積極的に参加し、自ら提案することが一番・・・》
■■少し話が脱線してしまいました。
今回の表紙リニューアルの件でいろいろと打ち合わせをしていましたが、1年間で一つのストーリーを表現するという表紙イラストになる事が判り、担当デザイナー氏もタッチで迷ってるらしく時間がかかりそうだったため、結論を早めるために私からもいろいろとタッチのサンプルを提示してみました。
年に12枚ですから、描く絵柄が何になっても年間通して同じタッチで描いていけるタッチにしなければなりません。予定では人物もブツ(物)も登場する事になりそうなので、それぞれに対応できるようなタッチをいくつか提示してみました。
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そんなこんなで数日後、スケジュール・金額・タッチに関しても全てクリアになり、気持ちよく正式発注を受けました。さてここからがいよいよ本番です。
私が発注を受けてからフィニッシュするまでの過程をご紹介したいと思いますが、それはまた次回に。
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