★さて、イラストレーターへの道程 1〜 4 までフリーになるまでの話をいろいろ書いてきたけれど、
もし『好きな絵を、好きな時に描きたい』と思うなら、これ以上先を読む必要はないでしょう。
本気でビジネスとして、商業美術としてのイラストを描いて行く覚悟がある方だけお読みください!
コレから先の話は 実際の現場の話を次々と絡めながらの私の体験談がメインになっていきます。
仕事を進める上でのノウハウや、一番関心があるであろうギャランティのお話も.....ね。
自分の描きたいイラストではなく、クライアントの為に描く!と言うことを肝に銘じて下さい。
《 オフィス設立への下準備 》
■さて、イラストレーターとして活動するにあたり、まず準備すること。
オフィス街の真ん中に
「イラストレーション・オフィス」を構えることにした。
最大の理由は、フットワークを軽くするため!(もちろん自宅でもオッケーだけどね)
やはり基本は相手の会社へ出向いて直接にコミュニケーションを取ることなのだから、
「営業活動をするためにすぐ行動を起こせる環境」にしておきたかったからだ。
と言っても立派なビルの一室など全然必要なく、都心でありながらお安いマンションを探した。
ビルなどの商業施設の場合は フロアーも広く設備も整ってる場合が多いから快適だけれど、
保証金も最低6ヶ月分必要だし、保証人も必要だしいろいろ面倒なことが多い。
何せ、いきなり始めるんだからフタを開けてみなければ実際に食って行けるかどうかなんてわかりっこない。
極力“固定費”を抑えるには敷金だけですむマンションをオフィスにするのが一番手っ取り早いのだ。
当然不動産会社に頼んで いろいろ観て回ったら 良いマンションが見つかった!古いけど。
打ち合わせのある時でもギリギリまで仕事が出来るし、近ければ事務所にも来てくれる。
最悪の場合、寝泊まりできるし、ついでにシャワーも浴びれる♪
てことであの当時で家賃が7万だったかな。しかも二人で折半。光熱費も折半
。一人頭 5万円もあれば払えて行けた。
■次に揃えなければならないのが
《 画材一式 》だ!
今と違って 手描きオンリーの時代だったから、会社で使っていた画材道具を全て揃えようとしたね。
要は
クライアントのどんな画風の要望にも応えられるようにするため。
今考えたら随分とアナログな道具ばかりだ。(^_^;)
画材でお世話になったのは 会社にいる頃からなじみにしていたデザインショップの.Tooの営業さんだ。
さっそく画材リストを用意し見積りを作成してもらった。
リキテックス、アクリルガッシュ、ポスカラ、パステル、コピック(マーカー)、カラーインク、ロットリング、フリスケットフィルム &トレペ(ロール巻)、PMパッドや筆、筆洗、Ellipse-Guide(楕円定規のセット)など....etc.プロ用一式もろもろ全部新品♪なんだかんだ30万かかったかな。
他にもエアブラシ、コンプレッサー、ライトテーブル、トレスコ(今や過去の産物...)など高い機材もあったからね。
今の人達には“Macとソフト”があるから 考えられないだろうね。。(^_^;)
《会社との交渉...》
■会社を辞めるにあたって 当然ながら、中堅どころの活きのイイ二人をいっぺんに失うのは会社としても痛い。専門分野なのでそうそう代わりが簡単には見つからない。
なので上司からは 止めにかかられた。会社に留まれ!説得攻撃だ。
「今辞めたって 仕事なんか無いぞぉ〜」とか
「みんな独立してもな、ヤッテケナイゾォ〜」とか脅された。
でも、とうに心は新しいイラストレーター生活に向いていたので、聞き流しながら穏便に進めようとした。
何故なら 今いる会社からも仕事が来る可能性は「大」なのだから!“切る”なんてもったいない。
少しでもビジネスチャンスは逃してはいけない!!
結局先に私が辞め、一ヶ月後にもう一人が退社し 新・イラストオフィスで2人で活動を始めた♪
そうそう、私が辞める時に 会社から餞別代わりにデカイお仕事を頂いた♪
ある保養施設のB1サイズ館内鳥瞰イラストで、カメラマンと一緒に2度ほど撮影に行ったりして面白かったなぁ。。館内に居る人間をいったい何十人描いたことか....
期間もかかったけど、なんと当時で150万のギャラだった。(*'ー'*)/←今じゃ考えられないバブリーなお話デス!
《 イラストレーション事務所設立! 》
■そしてついにフリーランサーとして独立し【イラストレーション事務所】開設。
本当に仕事が来るのだろうか!? 不安感もありながら 大丈夫だ!と自分に言い聞かせ
営業用のDMを広告プロダクションに送りまくり、原画や写真に撮った作品をファイルにまとめて
いざ、営業へ!!GO!
■まずは
【アポ取り】だ!メインは広告制作のプロダクションと広告代理店。
イラストだけで食べて行くには出版社だけでは無理だし、地方は大都市と違って
イラストを多用する出版関係の会社が少ないので活躍するのは広告業界が中心になる。
AD(アートディレクター)やデザイナーの方々に作品を見せまくった。反応は上々♪
就職する時に回った時と違い、すでに実績もあったしイラストにも自信があったし、
ギャラの面でも
作品に対して「自分で値段が付けられる」から話が早い。
よく新人の方の売り込みを目にするが 必ずADやデザイナーの方から聞かれるのが
「では....コレくらいでいくらですか?」と言う
【ギャラの話】だ。
デビュー仕立ての新鋭イラストレーターは ここで悩んでしまう。
広告でのイラストの値段付けがハッキリしていないからだ。
『高すぎても仕事来ないかもしれないし....(・・;)』と不安になり、ついやたら安い値段で言ってしまう。
でも、出版関係のギャラの感覚とは大きく差があるのが広告イラストだ。
最初の段階で安い値段付けをしてしまうと あとからギャラアップなんて絶対無理だね。
■こうしていろいろ回っているうちに 仕事も来るようになり信用度も高くなると
今度は他のプロダクションなんかに紹介されたりする。
そしていきなり事務所に電話がかかって来たりすることがある。
『○○さんの紹介で......こんなイラストお願いできますか?』と言う具合だ。
手描きでいろいろ描けるイラストレータなんて他にはなかなか居なかったので、とっても重宝がられて
ウソみたいに次々と仕事も舞い降りてきた。
やはり、
「私はコレ一本!」というイラストレーターよりは、
「応用範囲の広いイラストレーター」の方がデザイナー達に取ってはいろいろ使いやすいのだ。
デザイナー側からイラストレーターに求めているものに間しては後々エントリーしたいと思う。
■いつもの常連的なクライアントに対しては すでに私も彼らが何を望んでいるか・求めているか、打ち合わせの段階でわかるので、変更や直しというのはほとんど無いことが多い。
しかし、初めての取引の時は 一番困る。
相手のことが何もわからないからだ。
ここでよくコミュニケーションを取っておかないと 相手が望むイラストを提供できなくて直しになったりする。
人とのコミュニケ−ションは本当に大事だ。たとえ、自分の不得意な分野のタッチでも
「やります!」とか
「出来ます!」とか 時にはハッタリをかますのも必要だ。
来た仕事は逃さない、引き受けたからには何が何でもやる!という覚悟も必要なのはフリーでは当然だ。
自分を逃げられない状況下に置くと 意外と本領が発揮されるものだ!それが自信にも繋がって行く♪
《 軌道に乗り出してから..... 》
■私の場合バブル景気も手伝ってか、描き手が不足してたのか、不動産関係のパースの仕事が山のように入って来た。しかもパースは他のイラストよりも時間がかかるが、ギャラ的には格段にイイ!
外観パース、室内パース、鳥瞰図など 描きに描きまくったなぁ。。
しかも、普通の無機質なパース屋さんと違い 私の場合はイラスト寄りのパースなのでウケが良かったようだ。
読めなかった建築図面も一通り読めるようになって来たけれど、これだけパースを描いていると
次にお呼びがかかるのが
【建築設計事務所】からだ。
広告代理店の人と一緒に打ち合わせに行くようになって
直接【建築設計事務所】からオファーが来るようになった。
さすがに私も本物の一級建築士との仕事をするようになって多少はビビったなぁ。(^_^;)
なにせ、専門家との打ち合わせだ。専門用語を並べられてもねぇ。。パース屋さんじゃないし。
でも、これもお勉強です!そのうちわかってくるようになるものなんですよね。
但し、「直で仕事をする」というのはなかなか大変な部分も多く、言い様に使われてしまうことも多い。
さらに【公共事業関係のイメージ・パース】のお仕事も手がけるように・・・
コチラは以前エントリーにあげた
《 お役所のお仕事 》です!こんな世界があるなんて知らなかった。
でも、建築設計事務所と違ってイメージの世界をイラストにするので、精度はそれほど要求はされないことが多いのでラクといえばラクなんですが。。
6《 Macとの出会い 》へ続く....
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